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小学生の頃、理科の実験でマブチモーターを使用したでしょうか?あれは直流のモーターでしたが、試験に出てくるモーターは三相交流のものです。
三相の電源はRSTという3つの相になっています。
R→S→T→R→S→Tと位相が120ずつ、ずれて供給されています。右図参照。
電動機側にはUVWという端子が付いています。これをその順番通りに接続すると、回転します。それを正回転とします。そして、結線3本の内いずれか2本を入れ替えると逆回転となります。
電動機は電源周波数をƒ〔Hz〕、極数をpとすると、同期速度Nsは次のようになります。
ちなみに、巷ではこんな表があるので計算なんぞはしません。
極数とは、左の電動機断面図を見ていただくと分かると思いますが、永久磁石が何対あるかと言うことです。
極数が増えると回転数は遅くなります。電流も余分に食います。では何故極数を増やすのかというと、大きな電動機は当然負荷が大きい際に使用します。そうなると、より大きな力が必要となります。トルクを大きくしてあげなければ回りません。
『トルクって何だ』といわれると、また説明が長くなるので割愛しますが、簡単に言うと力の大きさです。
電動機は磁力によって回ります。永久磁石の極性は変化しませんが、コイルが巻かれている回転子の磁界は常に変化し、極性も変化します。
NとSが引き合うと片方の極性は変化するので今度は反対側の極性と引き合います。これが繰り返されて電動機は回ります。
そして、極数が2極しかないと、180度反対の極に対して次々に引き合う力が生じ、近づくほどに加速が増すので回転数が上がります。
逆に、局数が多くなり下の図の様に6極もあると、60度で次の極ですから、加速も程々です。
突入電流(始動電流)が定格電流の4~8倍になってしまいます。
それを改善させるには、結線方法を始動時と運転時に変える方法がとられます。
始動時にはスター結線。運転時にはデルタ結線です。
スター
デルタ結線で定格電流を1とした場合、突入電流は1√3に、相電流は1/3になります。
そのかわり、トルク(回す力)も1/3になりますので、回り始めのスピードは遅いのです。
三相誘導電動機のスターデルタ始動回路として正しいモノを選ぶ問題がありますが、当サイトでは一発で答えが分かる方法を紹介します。
それは、回路を一筆書きで1巡出来れば、それが正解です。
右端の回路を除いて、他の回路はスター結線部分すべてに電流が流れる結線とはなっていません。
右端の回路をたどってみてください。一筆書きで全てのラインが繋がっています。
日本は世界でも珍しい2つの周波数が存在する国です。他の国なら、問題になっているかどうか・・・。まぁ、飛行機で使う電気の周波数は400Hzですし、他にもいろいろあるので考えなくて良いわけではありません。 周波数の問題で問われるのが、50Hzと60Hzで電動機を動かした場合、どちらがどちらに対して回転が速くなるか遅くなるかというものです。 同期速度の式で計算してみましょう。極数は2と仮定します。
Ns=120 ƒ/p
50Hz:120×50÷2=3000
60Hz:120×60÷2=3600 こちらが早いです。
回転数は周波数に比例して、電流Aは反比例して大きくなると覚えておくと便利です。
すでに知っていると思いますがおさらいです。
誘導電動機の力率は高くないため、コンデンサを並列に接続して改善を図ります。
コンデンサは、開閉器と電動機の間に図のように設置します。
エアコンも電動機であることに注意が必要。
2.0kW以上の定格消費電力の機械器具を接地する場合は、以下のように設置をすれば対地電圧を300V以下とすることができる。
定格出力(モーターから取り出せる機械的な出力)が0.2kWを超える電動機には、電動機を焼損させるような
過電流が流れた場合に自動的に阻止する装置か、警報装置を設置しなければならない。
それでは電動機という言葉が問題文に含まれる問題をやって見ましょう。
他のカテゴリーとも重複していますが、復習も兼ねてどうぞ。
1.床に固定した定格電圧200〔V〕、定格出力2.2〔kW〕の三相誘導電動機の鉄台に接地工事をする場合、接地線(軟銅線)の太さと接地抵抗値の組合せで、不適切なものは。ただし、漏電遮断器を設置しないものとする。
イ.直径2.6〔mm〕、100〔Ω〕
ロ.直径2.0〔mm〕、50〔Ω〕
ハ.直径1.6〔mm〕、10〔Ω〕
ニ.公称断面積0.75〔mm2〕、5〔Ω〕
2.三相誘導電動機を逆回転させるための方法は。
イ.三相電源の3本の結線を3本とも入れ替える。
ロ.三相電源の3本の結線のうち、いずれか2本を入れ替える。
ハ.コンデンサを取り付ける。
ニ.スターデルタ始動器を取り付ける。
3.低圧三相誘導電動機に対して電力用コンデンサを並列に接続する目的は。
イ.電動機の振動を防ぐ。 ロ.回路の力率を改善する。
ハ.回転速度の変動を防ぐ。 ニ.電源の周波数の変動を防ぐ。
4.三相200〔V〕、2.2〔kW〕の電動機の鉄台に施設した接地工事の接地抵抗値を測定し、接地線(軟銅線)の太さを点検した。接地抵抗値及び接地線の太さ(直径)の組合せで、適切なものは。 ただし、電路には漏電遮断器が施設されていないものとする。
イ.50〔Ω〕 □.70〔Ω〕 ハ.150〔Ω〕 ニ.200〔Ω〕
1.2〔mm〕 2.0〔mm〕 1.6〔mm〕 2.6〔mm〕
5.三相かご形誘導電動機の回転方向を決定するため、三相交流の相順(相回転)を調べる測定器は。
イ.回路計 ロ.回転計 ハ.検相器 ニ.検電器
6.三相誘導電動機の始動において、じか入れ始動に対して、スターデルタ始動器を用いた場合は。
イ.始動電流が小さくなる。
ロ.始動トルクが大きくなる。
ハ.始動時間が短くなる。
ニ.始動時の巻線に加わる電圧が大きくなる
7.三相かご形誘導電動機の記述で、誤っているものは。
イ.始動電流は全負荷電流の4~8倍程度である。
ロ.電源の周波数が60〔Hz〕から50〔Hz〕に変わると回転速度が低下する。
ハ.負荷が増加すると転速度はやや下する。
ニ.3本の結線のうちいれか2本を入替えても逆回転しない。
8.三相誘導電動機のスターデルタ始動回路として、正しいものは。
ただし、丸で囲まれた部分は三相誘導電動機、四角で囲まれた部分はスターデルタ始動を表す。
9.三相誘導電動機を電圧200〔V〕、電流10〔A〕、力率80〔%〕で毎日1時間運転した場合、
1ヵ月(30日)間の消費電力量〔kW・h〕は。ただし、√3=1.73とする。
イ.48 ロ.75 ハ.83 ニ.130
10.定格周波数60〔Hz〕、極数4の低圧三相かご形誘導電動機の同期回転速度〔min-1〕は。
イ.1 200 口.1500 ハ.1800 二.3000
D種接地工事が必要だが、100Ω以下で1.6㎜以上の接地線が必要。
D種接地工事が必要だが、100Ω以下で1.6㎜以上の接地線が必要。
始動電流が小さくなるため、始動トルクは小さくなり、始動時間が長くなる。電圧も小さくなる。
I(線電流)=V/√3Z
Ⅴ(線間電圧)=√3E
いずれか2本を入れ替えると逆転する。
P〔W〕=√3VIcosθ=1.73×200×10×0.8=2768〔W〕
30日なので、2768×30=83040〔W〕 kWに直す×0.001=83kW・h
N=120f/極数=120×60÷4=1800〔min-1〕