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計算問題

まぁ、計算問題が苦手な成人の理由は3つほどに大別されます。

年齢的に・・・というのは無しです。何らかの疾病であるならばともかく、記憶できないと言うことはあり得ないんです。もしも、会社の予定や家族・知人との約束を忘れるようであれば、資格の勉強するよりも病院へ行くことをおすすめします。

それでも「苦手なものは苦手なんだ!」という方のために当サイトはある訳なので、何とかお助けいたします。
正確には正しくない考え方や捉え方での説明がありますが、資格取得のために分かりやすいであろうと考えて記述しています。電気の先生になるわけではないので、それでいいのです。難しく考えないでください。 正直な話し、計算問題は捨ててかかっても良いと思います。10問くらいしか出ません。ここでは、高確率で出題されるであろう7つの問題区分について説明しています。
おそらくこれで10点(5問)は稼げるのではないかと思います。

  1. 単純な回路問題
  2. 電線の抵抗値に関する問題
  3. 力率に関する問題
  4. 電力損失に関する問題
  5. 電圧降下に関する問題
  6. 電線許容電流に関する問題
  7. 幹線許容電流に関する問題

それでは実際の問題を例に進めていきたいと思います。過去出題問題の中から、同じもしくは似たような形で出題が繰り返されている問題の正解を選ぶ(笑)方法をご教授したいと思います。

ボリュームがありますので御覚悟を・・・。

 算数のおさらい

算数のおさらいをちょっとさせてください。これがあやふやでは、計算問題は心配です。
算数が出来る人は、スクロールさせて下に行ってください。

文字式の変形

X=YZという式があったとします。 X=1、Z=2の場合、Yはいくつになるでしょう。
実際に数字を代入してみます。  1=2Y(文字式の場合、数字を先に各決まり)
この先はどういたしましょうか?
Y=の式に変形させます。(Yを求めるため)
2Y=1(左右を入れ替えます。そのほうが分かりやすいのではないでしょうか)
この式の意味は、“Y”に“2”を掛けたら“1”になるという意味です。
ということは、“Y”は“1”の半分の数と言うことになります。
長い式となると、いちいちこんな事を考えていては答えを出すのに日が暮れてしまいます。
そこで昔のえらい数学者が簡単に答えを出る方法を見つけだしました。
求める文字数(XとかY)以外を“=”の反対側へ移動させる方法です。
移動させるにはルールがあります。
それは“=”を越えると【かけ算はわり算に】【わり算はかけ算に】【足し算は引き算に】【引き算は足し算に】なる
と言うことです。

それではそのルールに則って、2Y=1を計算しましょう。
“2Y”というのは“2×Y”と言うことですから“=”の反対側へ移動させるとわり算になります。

すると以下のような式になります。
Y=1÷2
Y=0.5

何でこれの説明をするかというと、これが出来ないと基本の公式だけではなく、公式の変形した式まで全部覚えておかなくてはならないからです。

I=V/Rだけ覚えていればいいのに、V=IRやR=V/Iまで覚えないといけないと言うことは大変な苦労です。

ここを読んで「そんな基本的なこと出来ない奴がいるのかよWww」と笑わないように!

第2種電気工事士の試験は中学卒業程度の数学と科学で十分出来るはずなんです。
それが出来ないのであれば、ドングリの背比べ、目くそ鼻くそを笑う、五十歩百歩です。


分数

分数計算例

上記の計算が理解できましたか?
分母が違う分数の足し算では、互いの分母を分母と分子に掛けてから計算します。

分数計算例

上記の分数のかけ算はどうでしょうか?

分数計算例

上記の分数のわり算はどうでしょうか?

更に念のため、ルートについて
√2とは同じ数字を掛け算すると2になる数字を表したモノ
√2=1.41
√3=1.73
√4=2
√9=3
√100=10

 重要公式

オームの法則

オームの法則言わずとしれた、最重要公式です。電気と言えば〔オームの法則〕です。
 ただし、全部覚える必要はありません。
 どれか一つだけで、後は変形させているだけです。

オームの法則
私のお薦めは、こちらの式。何でおすすめかというと、覚えやすいから。

オームの法則

上記3つ式はすべていっしょです。
あと、覚え方として次のようなものもあります。

オームの法則たとえば、電圧(V)を求める場合、Vを隠すとIRが横並びで残ります。
これをI×Rと考えます。
では、今度はIを隠してみましょう。Vが上、Rが下の分数のようになります。
これをV÷Rと考えます。
同じようにRを隠すと、Vが上、Iが下の分数のようになります。
これをV÷Iと考えます。

この図が頭に入っていればオームの法則はばっちりです。


電力・電力量

  • 電力
    P=IV〔W〕 ワットを求めるには電流と電圧を掛け算
  • 電力量(時間単位あたりの電力)
    W=Pt〔kW・h〕 ワットと3600秒(60秒×60分)を掛け算

合成抵抗

  • 直列回路

合成抵抗-直列回路-R=R+R+R〔Ω〕 素直に足し算すれば合計の抵抗値

  • 並列回路

合成抵抗-並列回路-

合成抵抗-並列回路-〔Ω〕

これって、簡単な式なのですが計算がしづらいですよね?
 なので、和分の積ですませましょう。

 和分の積〔Ω〕

2つの並列しか計算できませんが、繰り返すことによりいくらでも計算できます。


誘導リアクタンス

  • 直列回路のインピーダンス
    難しく考えることはないです。電流(A)を求める際のひとまとめにした抵抗と思ってください。

誘導リアクタンス-直列-   誘導リアクタンス-直列の公式-〔Ω〕

  • 並列回路の全電流
    あまり出題されませんので捨てても良いかと・・・。ですので図も載せません。

誘導リアクタンス-並列の公式-〔A〕


三相3線式の

P=3Ir〔W〕


三相3線式の電圧降下

V=√3Ir〔V〕


 重要式のまとめ

暗記する公式はれだけで十分!計算問題はこれで0点じゃなくなります。

  1. V=IR オームの法則。電圧、電流、抵抗のうち2つが分かれば残る一つが計算できます。
  2. P=IV 電力量計の計算式です。単位は〔W〕です。
  3. 和分の積公式〔Ω〕 並列の合成抵抗計算には必須(和分の積と言います)
  4. 誘導リアクタンス直列公式〔Ω〕 公式の問題が出たり、誘導リアクタンスの直列計算に使います。
  5. P=3Ir〔W〕 公式の問題が出る。三相3線式の電力量計算に必要。
  6. V=√3Ir〔V〕 公式の問題が出る。三相3線式の電圧計算に必要。

 実際の計算問題

基本的で理解しやすい問題を元にして、計算問題対策をしましょう。

合成抵抗

合成抵抗の計算

まずは赤丸①の合成抵抗から計算 6×6/6+6(和分の積)=36/12=3Ω

青丸② 3+3=6

緑丸③ 3×6/3+6(和分の積)=18/9=2Ω

答えは2Ω

ポイント:計算ミスを減らす!

  • 小さな並列から解いてゆくのが原則
  • 並列の合成抵抗は和分の積を使うことで統一する。
      (無用な計算間違いを減らしましょう)
  • 並列の合成抵抗計算で数字が同じ場合は抵抗値は半分になる。
      (無用な計算間違いを減らしましょう)

オームの法則

オームの法則の計算

まず電気は抵抗の少ない方に多く流れます。無抵抗であればそちらを全部流れると考えてください。また、プラスから流れた電気がマイナスに戻るようになっていない電線には電気が流れません。

この問題はそういった電気の基本が理解できているか試される問題なのです。

つまり、①と②の抵抗にしか電気は流れていません。
スイッチを閉じたときの回路を簡単にしてみると下図のようになります。

ここまでくると分かると思いますが、直列回路の簡単な問題なのです。
さて、それでは計算してみましょう。

Vボルト、Ωオームと記載があるので、V=IRが使う公式です。
直列回路の場合、電流はどこでも変わらないので、全体のAを求めると言うことになります。
つまり、抵抗も全体と言うことですから、30Ω+30Ωで60Ωの値を使用します。

V=IRを変形してI=V/Rこの式に当てはめると I=100÷60=5/3A(無限小数になるので分数)

さて、それぞれの抵抗にはいくら電圧がかかっているか計算してみましょう。

①の抵抗V=IRよりV=5/3(全体の電流)×30(①の抵抗値)=50V
②の抵抗も同じ抵抗値なので 50V

問題では②の電圧を求めることと等しいので、答えは50Vです。

もっと、簡単な考え方。
この問題が簡単な直列回路の図だと理解できたら、同じ抵抗が2つあるので100Vを半分ずつ使っていると分かります。なので、すぐに50Vと分かるのです。
分圧が直列回路、分流が並列回路で起こると覚えておけば、ほぼ計算がいらない問題です。
まぁ、電圧が問題なので分圧しているだろうと推測してもOKです。

ポイント

  • まずは、引っかけに気が付くこと。解法が簡単なので、スイッチや開放回路をまぜています。
  • 電圧を求めよときたら、V=IRかP=IVの式ぐらいしか使いません。

単相3線式

単相3線式計算問題

単相3線は赤線のように電流が流れます。
この場合、中性線(電流計が接続されている)での差が答となります。

P=IVなので、I=P/V  I=1000/100=10(1kW=1000W)
もう一つ            I=2000/100=20(1kW=1000W)


上側は10Aで下側は20Aで、その差は10A(プラスマイナスは考えない)

答えは10A

ポイント

  • こんな図が出たら単相3線式で、差を求める問題。
    ということは、2つの計算をしてその差が答えとなります。
  • V=IRとともに、P=IVの式も大切。式の変形だけは出来るようにすること。

三相3線式(誘導リアクタンス)

三相3線式

三相3線式ではまず、この数値の組み合わせが使われます。
なぜかというと、解答となる数値のキリがよいからです。

これを見ただけで、9.6という答えでまず問題ありません。計算をしたくないならこのぐらいの潔さは必要です。電圧が100Vであれば2.4となることも覚えれば間違いはありません。

ちなみにここで使う公式はとP=3I

まずは電流を求めたいので1相分の抵抗を求めます。
を使い、√8+6=10Ω

次にI=V/R(基本) 
I=200/10=20A

次にP=3IRを使い、3×20×20×8=9600
これをkWに直すと9.6

ポイント

  • 抵抗8Ω、リアクタンス6ΩはZ=10Ωとなるので、どこでも使われます。忘れるべからず!
  • この問題を見たら9.6kW(9600W)が解答であることが濃厚

誘導リアクタンス

誘導リアクタンス問題

誘導リアクタンス問題

前項の問題が分かると、こんな問題も簡単に解けてしまいます。
答えはイです。

まず、抵抗とコイルがでてきたら  の式を思い出してください。
そうすると、イとニにはに共通する部分がありますので、どちらかと推測します。
問題は分子にある100Rと100Xです。
直列の時はRの方を選びます。並列の時はXです。
何で100という数字があるかというと、%は百分率だからです。
並列の問題はあまり見ませんけどね。

ポイント

  • を覚えておくことしかないです。

電圧の基本

直流回路計算

こういう問題の場合、計測地点をしめす線を消してしまえば、簡単であることが多いです。
単純にオームの法則を使う問題です。

電圧というものは、そもそも“差”の事を示しています。だから、発進!した電圧はスタートに
戻ってくると0Vになっていないとおかしいのです。これ覚えてね!

また、抵抗があればその都度電圧は使用されて減っていきます。

だから、電線の抵抗を無視すれば抵抗などを挟まないで電圧を測ると0Vになります。

ワンポイント

直流回路の場合、抵抗値を通るたびに電圧は減ってゆきますが、電流は減りません。
(並列回路の場合、電圧は複数の回路にスタート時と同じ電圧が掛かり、電流はそれに応じて変化します)

まず図にあるような100Vが直列で2つ並んでいると200Vで発進します(上の矢印の地点です)と言いますか、発進すると考えてください。

この時点で電圧(V)と抵抗値(Ω)が分かっているので、電流(A)を求めることが出来ます。

V=IRゆえに I=V/Rに数字を当てはめてみましょう。

I=200/50(抵抗が直列なので20+30)=4A

全体で4Aの電流が流れており、直列に並んだ抵抗には等しく電流が流れているので、この考えを元に30Ωの部分の電圧を求めます。

V=IRに数字を当てはめてみましょう。

V=4×30=120V

あとは、120-100=20Vが正解となる(100というのはaの地点の電圧)

もう一つの解き方
こちらのほうが、考え方としては分かりやすいです。
200Vで発進した電圧が、20Ω、30Ωでそれぞれ使用されます。
と、いうことは2:3で電圧が使われているのだから20Ωでは40%の80V、
30Ωでは60%の120Vが使用されている
ことになります。
あとは120-100=20V が正解となります。

ポイント
  • 電圧というのは2点間の差のこと
  • 直列の抵抗が並んでいれば分圧と言って電圧がそれぞれに振り分けられる。電流はそのまま。
    並列の場合は分流と言って電流がそれぞれに振り分けられる。電圧はそのまま。

断線回路

断線回路計算

またまた簡単な問題です。
断線していると言うことは真ん中の線はないと言うことです。
つまり、単なる200Vの直列回路と言うことになります。
では、なんの公式を使えば解けるのかというと、公式はいりません!
参考書等ですと、電流求めてからそれぞれの負荷にかかる電圧を求めたりしていますが、
そんな回り道はいりません!そういうのを融通が利かないと言うんです。
まず、簡単な回路になおしてみましょう。


ほら、すごく簡単・・・。

しかも、V=IRの公式なんていらないんです!

何でもかんでも公式使うのは、本当の理屈が分かってないからです。
分かっていたら、簡単な計算の方がいいですよね?
間違いが少ないですから。

直列の回路では抵抗値に応じて分圧!
つまり、200Vを抵抗それぞれで分け合っているので、この場合は2つにどんな配分になっているか
ということです。10Ωと40Ωとありますので、1:4で分圧されていることが分かます。

200Vを1:4にすると40:160です

問題はb-c間の電圧ですから、160Vが正解です。

わかりづらいですか?以外と比や割合が分からない人が多いので、ちょっと説明します。
1:4は全体を1と4に分けると言うことなので、全体を1+4の5で割ります。
5等分すると言うことです。
この場合は200Vを5で割ります。そうすると40となります。
200Vを5等分すると1つが40Vと言うことになります。
4つはその4倍ですから160Vです。

ポイント
  • 断線しているのであれば、それをのぞいた回路図を書いてみる。
  • 直列の回路では抵抗値に応じて分圧!

電力損失

これを見てP=IVやP=3I2rと思い浮かべば計算で簡単に答えは出ます。
でも選択肢を見てみると・・・。10W、14W、17W、30Wとなっています。

ぱっと見30Wだとわかります。.1や10と言う数字が出きて3本の電線。
これはの倍数になると!

じゃぁ、一応解き方です。P=3I2はそれだけでも問題になっているで覚えていると思いますが
これって、P=IにV=IRを入れ替えた式なんですよ!(3本分で3倍にはなってますけど)
式だけ覚えてそんなからくりを知らなかった人は反省してください。
ですから、基本の2つの式は重要なんです。

でも、あくまで簡単に考えます。

0.1Ωで10Aの圧を求めます。
=IRより V=0.1×10=1V
P=IVより P=10×1=10W

これが3本あるので30W

もう一問やってみましょう

電力損失計算-単相3線式-

この回路の場合、単相ですので真ん中の線が中性線で電流が流れません。
ですので、電力損失に関係のある電線抵抗は2つという事になります。
これの選択肢を見ると 4、8、40、80 となっています。
これも0.2Ωと10Aと100Vで関係のある電線は2本なので、4が正解に含まれていることは
想像に難しくありません。
正解は4か40かのどちらかでしょう。
で、一桁のワット数であることはまずないんですよ。抵抗か電流が0.01などの100分の1に
ならないと1本でさえ一桁のワット数にはならないです。

だから答えは40Wです。

でも、ちゃんとしたとき方も説明します。
V=IRより V=10×0.2=2V
P=IVより P=10×2=20W

これが2本なので40W

もう1問やってみましょう

電力損失-単相3線式-

ちょっとだけ引っかけです。並列に接続されている抵抗がありますので分流されているんですね。
だから総電流は20Aです。

選択肢を見ると 6、8、16、24 となっています。
おそらく4の倍数でしょう。そして2本あるから一桁はないと考えると16か24に絞られます。
でも、山勘だとここまでなんですよ。
前2つの問題は回路中の数字が全て1、もしくは2が一つだけの問題なんです。
この問題では0.02Ωと20Aと2つの2があるので、4のさらに2倍の8が正解に含まれます。
どちらにせよ16か24なんですが・・・。

さて、ここまで読んでいただいたなら、この問題が簡単に計算できますよね。
V=IRとP=IVです。結局、基本的な公式で解けるのであればそれが確実です。
V=IRより V=20×0.02=0.4V
P=IVより P=20×0.4=8W

それが2本なので16Wが正解です。

ポイント
  • 基本公式での解法を心がける

電圧降下

電圧降下-単相2線式-

よく出る問題です。
ぱっと見に面倒くさそうです。でも、ご安心を!こういう問題こそ似た問題が出題され、面倒な解答
にはならないんです。
この問題の出題は4パターンしかありません(こういう事を書くと異パターンを出したりするから困る)
変更されるのは電流の部分ですが〔どちらも5A〕〔どちらも10A〕〔5A・10A〕〔10A・5A〕の4つです。

まず正解は100V以上になります。だって、スタート地点よりも途中の電圧の方が高い事は、ありえないからです。
そして解答なのですが、この場合は105V。

10A 10A は106V
 5A 10A は105V
10A  5A は104V
 5A  5A は103V

上記を覚えたら答えが出ます。おぼえてられねぇって!

解き方を説明します。

考え方はこうです。
右側の抵抗を挟んだ電圧が100Vということは、b-c間とc'-b'間で使用される電圧を加えたものが
b-b'間の電圧となります。式で表すとこうなります。

V=2rI+100 ← 簡単にいえばV=IRの式におまけが付いているだけです。
 =2(線数)×0.1(rの抵抗)×10(そこに流れる電流)+100(c-c'間の電圧)=102V

次に、102Vにa-b間とa'-b'間で使用される電圧を加えるとa-a'間の電圧となります。
式で表すとこうなります。

V=2rI+102
 =2×0.1×15+102=105V

ここで大切なのは、上記の式で電流が15Aとなるところです。
この回路では直列と並列が組み合わさっているので、分圧、分流がそれぞれ起こっています。
しかし、a-b間とa'-b'間はそこだけ考えると直列の回路でスタート&フィニッシュの部分です。
つまり、全体の電流で計算する部分になります。

 

一つずつ計算。こちらの方が基本公式だけを使ってますので簡単です。

電圧降下-単相2線式-

  1. V=IRより V=15×0.1=1.5V
  2. V=IRより V=10×0.1=1V
  3. V=IRより V=10×0.1=1V
  4. V=IRより V=15×0.1=1.5V

上記を合計すると1.5+1+1+1.5=5V

折り返し?の部分で100Vなので、上記計算値の5Vを足したものがa-a'間の電圧となります。
くれぐれも関係のない抵抗負荷を計算しようなどと思わないでください。

ポイント
  • 出題はほぼ4パターン
  • 分圧は直列でしか起こらないので、真ん中の並列部分は電圧計算には直接関係ない。

単相交流回路(インダクタンス)

インダクタンス

これもよく出題されると思います。
とくに、2011年(平成23年)は大震災による周波数問題が取りただされましたので、これ以降は頻繁に出題されてもおかしくありません。

誘導リアクタンスがどうたらこうたらと考えました?それって、本当にどういうことか理解できていますか?そもそも、一般的な電気工事をする作業員にこの知識が必要かどうか・・・。
まぁ、公式とその内容を覚えた人はさておき、簡単に正解を選ぶ方法を考えます。

50Hzが60Hzになったと言うことは約0.8倍になるか1.2倍になるかのどちらかです。
50/60か60/50になりますからね。


さて、増えるのか減るのか・・・。

そこで、一つ覚えておくのがコイルとコンデンサの特徴です。
コイルを回路に組み込むと電圧の波形に対して電流がマイナスから波形がスタートします。
コンデンサを回路に組み込むと電圧の波形に対して電流がプラスから波形がスタートします。

コイルはマイナス、コンデンサはプラスです。なんのこっちゃ?
試験が終わるまで覚えていれば十分です。

ちなみにコンデンサは電気をため込むので、テレビなんかを分解したときに高圧部分に注意してくださいと注意書きがありますが、これはたまっている電気が放出されて感電するのでこういった注意書きがされています。そんなことから、コンデンサは電気をためてあるから最初から電気が流れるのでプラスと覚えても良いかと思います。

この問題とプラスマイナスの波形は直接関係ありませんが、「コイルはマイナス、コンデンサはプラス」という言葉は呪文です。

この呪文を当てはめます。

この問題ではコイルですからマイナスなんです。つまり、周波数が増えるとき(50→60)になるときは電流が減ります!(同電圧)
ですから、6Aを減らす(マイナス)ようにすればいいのです。

6×約0.8=4.8

おそらく5Aという選択肢があると思いますので、それを選べば正解です。

ポイント
  • 約0.8倍になるか1.2倍になるかのどちらか
  • 50→60Hzでコイルはマイナス、コンデンサはプラス
  • 電動機の回転が速くなるか遅くなるかという問題も類似問題です。逆に60→50にすると遅く回ります。
    (自分の住んでいる地域から東なり西に引っ越ししたら、どうなるかで考えておくとわかりやすいです)

許容電流

許容電流

許容電流の問題は、電線の太さに応じた許容電流値を覚えていないと正解は難しいです。
参考書では表で載っており、覚えるのがおっくうになります。
また、その近くに電流減少係数の表もあると思いますが、これは覚えなくても大丈夫。
問題文に記載されてますから。

で、覚えておけばよい数値は決まっています。

  • 1.6mm 27A
  • 2.0mm 35A
  • 2.6mm 48A

この3つあれば十分です。更に言えば27Aと35Aだけでも大丈夫です。
選択肢は10,15,17,19,27大体こんな感じです。
これは単純に、1.6の27Aを0.56倍してしまいましょう。27×0.56=15.12

答えは15Aです。

ポイント
  • 絶縁電線の許容電流は27Aと35Aを絶対忘れない様にしましょう。

電線抵抗値

電線抵抗値

選択肢は 5、10、20、40 です。

電線の抵抗値に関する問題で覚えておくことは一つだけです。
断面積と長さに比例したり反比例する


水と同じなので、通り道である電線の太さが大きくなれば抵抗は減ります。
太さが2倍になれば抵抗は1/2になります。

水と同じなので、通り道が長くなれば抵抗が増えます。
長さが2倍になれば抵抗は2倍です。


この問題の場合、直径で表示されています。断面積=πD/4という式もありますが、
覚えなくても良いです。
小学校の時に習った 半径×半径×3.14で断面積を出しましう。
ちなみに3.14は3で計算しても大丈夫です。

0.8(半径)×0.8(半径)×3(π)=0.64×3=1.92 面倒なので1.9にします。
1.6(半径)×1.6(半径)×3(π)=2.56×3=7.68 面倒なので7.7にします。

何倍か知りたいので、7.7÷1.9=約4

太さが4倍になっているので、抵抗は1/4になっています。
じゃあ、長さを4倍にすれば元通りの抵抗となります。

10m×4=40mが正解です。

ポイント
  • 水と同じと考える
  • 公式を思い出せなくても、円の面積(半径×半径×3.14)で求められます。

分岐回路

分岐回路図のように定格電流125〔A〕の過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して、10〔m〕の一に過電流遮断器を施設するとき、a-b間の電流の許容電流の最小値〔A〕は。

念のために説明しておく問題です。毎回出る問題でもありませんし、解くためには覚えておかないとならないことがありますので、大変かとは思いますが電気工事士として最低限覚えておかないとまずい問題です。

回路を配線するとき、枝分かれさせると3m以内に過電流遮断機が必要になるんです。

『そんなんじゃ、マンションだけでなくちょっと大きな一軒家だって配線は無理だよ!』
そこで、長くなっても良いけど安全のために使う電線の太さに規定を設けますというのが
この決まりなんです。

つまり『長くするのであれば危険だから電流許容量が大き電線を使ってね』と言うことです。だから、8mを越える場合は幹線に付ている過電流遮断器の55%の要領がある電線を用意しなければなりません。

3m以内に過電流遮断機をつけるのが原則です。許容電流の制限はありません。
3m以上8m未満であれば35%以上の許容電流としてください
55%以上あれば長さの制限がありません。つまり8m以上の場合はこれに該当する。


問題の解答ですが、幹線に付いている過電流遮断機定格電流が125Aなで、
これに10mの線ですので、
15(過電流遮断機の定格流)×0.55(8m以上)=68.75A

選択肢には69Aと言うのがあるはずですのでそれが正解となります。

ポイント(完全に記憶問題です)
  • 3~8mと8m以上の容割合を覚える(35と55)

定格電流

過電流遮断器定格電流-

モーターブレーカーの記号は縦線が入るずだが、細かいところはさておいて。
これもめんどくさい問題ですねぇ。
とりあえず、選択肢を見てみると・・・。

100,108,115,120 となっています。

とりあえず定格電流を全部合計してみます。50+30+15+5=100A
選択肢に100がありますので・・・・

算数はないです。逆に、選択肢から外してください。

さて、じゃあどうすればよいのか・・・。

モーターの定格電流合計が50A以下の時は1.25倍にしてから合計を計算する。
モーターの定格電流合計が50A超の時は1.1倍にしてから合計を計算する。


これで計算をしてみると 1.1(50+30)+(15+5)=88+20=108A

ポイント(完全に記憶問題です)
  • モーターの定格電流合計が50A以下の時は1.25倍にしてから合計を計算する。
    モーターの定格電流合計が50A超の時は1.1倍にしてから合計を計算する。
  • 忘れたときは全体の1割り増しに近い数字を選ぼう!

定格電流とコンセント

40Aの配線用遮断器だと電線は8mm以上と決まっているので
ハか二ということになるが、ロはアンペアが記されていないので15A、二のコンセントは20Aなので40Aでは使えないんです。
こんなの暗記してないと解けないじゃん!

まず、コンセントを先に覚えます。
分岐回路の電流以上のコンセントは使用できません。また分岐回路の電流の10A未満のコンセントもXです。
これだけで正解が分かる問題も過去にはありました。
今回の問題ではイとハに絞ることが出来ます。

で、もう一つだけ覚えましょう。
30Aが5.5mm(2.6mm)だということを!これを覚えておけば前後から推測が可能となります。 全部なんか覚えなくて良いんです。どうせ出題内容は似たり寄ったりで偏りますから問題ありません。

ポイント
  • 覚えることは極力減らしましょう。
  • コンセントの電流範囲を覚えておくだけでもかなり絞れます。

三相デルタ接続

三相デルタ接続

あえて、おまけで最後にこんな問題を用意しました。
選択肢を見てみると 10、 17.3、 20.0、 34.6 とあります。
これを見たときにすぐに17.3が怪しいと思い、計算をすると間違いありませんでした。

とりあえず基本公式で計算してみましょう。
ΩとVとくればV=IRです。

V=IRより I=200/20=10A

選択肢に10とありますが、これは三相デルタ接続なので、そのままであるはずがありません。
3つの抵抗が組み合わさってますねぇ。と、いうことは3倍なのか?選択肢にはありません。

問題用紙の一番最初には√3は1.73で計算するように指示が記載されています。

では、10×1.73=17.3A これだ!

あまりにも当てっずぽうじゃないかって?スター結線ならどうするかって?

1.73をかけて駄目なら割ってみれば良いんです!!!!

計算問題は、中途半端な当てずっぽうよりも出てきている数値を四則計算するだけで、
正答率が驚くほどあがるのです。
第2種電気工事士試験では一番多いのが掛け算、次に足し算、割り算、引き算の順です。

ちなみに、公式は I=√3V/Z です(ZはRです)

ほらね、やっていることは同じでしょ?

ポイント
  • 計算問題全てに言えるが、分からないと投げ出す前に記載数字を使って掛け算をしてみよう
  • スター結線、デルタ結線は理解に要する時間と、獲得点数が比例しない(費用対効果が薄い)

 

 

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計算が苦手なら、最低限の公式以外は捨ててしまいましょう。

最後の問題はあえて記載しました。別に、覚えられる人は覚えれば良いんです。
私は当然覚えてますし、仕組みや理論も分かります。
ただし、試験の合格のためにはあえて覚えなくても良いと考えています。
計算問題が苦手だと思っている人にとって、この勉強時間が無駄になるからです。
V=IR、P=IV、インピーダンス以外の公式は覚えなくても良いとさえ思っています。
そのかわり、その3つを限界まで使ってください。あっ、和分の積も忘れないでね。